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二日目は岐阜県北部にある「道の駅九頭竜」で朝を迎えた。昨晩のうちに長い移動をすま せ、車中泊したのである。すぐ近くには有名な九頭竜湖があり、8月の今は観光客が多く訪れ るはずだが、さすがにこの時間人は少なく淋しい。それでも数台の車がこの道の駅で夜を明か していた。 ![]() ここ「道の駅九頭竜」は、道の駅であると同時に鉄道の駅でもある。同じ敷地内にはJR越美 北線九頭竜湖駅が同居していて、トイレもこの駅舎のものと共用になっている。越美北線は災 害によって長い期間一部区間運休が続いていたが、最近全線復旧。今では以前同様福井ま での列車が発着するようになった。もっとも1日5本と本数は少ないが…。 6時ちょっと前、始発列車がホームへと入ってきた。単行(1両編成)の列車に乗ったのはたっ たの一人…。駅前には「乗って残そう越美北線」という旗もあった。九頭竜湖という観光資源は 持つものの、自動車主流の現代ではとても採算はとれるとは思えず、全線復旧したからと言っ て将来安泰ではないのかもしれない。 ![]() 道の駅九頭竜から国道158号を西へ3キロほど走り、県道174号へ左折、またしばらく走る と下大納という集落がある。ここから左に分岐しているのが和佐谷林道だ。路面は広い舗装路 で、まさか全線舗装済みでは…と嫌な予感がする。 ![]() 1キロちょっと進んだ辺りで道路状況が変化。左右から草が鬱蒼と覆い被さってきて、どう見 ても手入れのされていない荒れようだ。この先本当に走れるのか不安になってきた。ツーリン グマップルにも「荒れた側壁断崖路」とあって、土砂崩れや路面崩落で通行不能になることもし ばしばらしい。 それにしても、この草の茂り具合はないだろう。去年走った、北海道のひどい未整備林道を 思い出す。 ![]() と、突如目の前に現れたのはトラ柄のロープ。「一般車両進入禁止」の札が吊る下げられて いて、この先は進入不可能である。悪い予感が当たり、せっかくの訪問にもかかわらず走破は できず。まあ、こればかりは仕方ないか。 ![]() がっちりしたゲートが設置されたわけではないから開かずの林道という訳ではないと思うのだ が、もともと厳しい地形に切り開かれた道なので、通れるチャンスは低いのかもしれない。もし 全線通行できていたら、南の県道230号にある伊勢峠まで抜けられるはずで、いつかは走破 したいと思う。 飛騨の林道巡りが目的の今回の旅なのに、なぜか県境を越えて石川県へ。ここまでせっかく 来たのだからと、ちょっと無理して足を伸ばしたのである。 着いたのは旧尾口村(現白山市)の手取湖。湖畔を走る国道157号を北上すると、鴇が谷(と がたに)大橋という橋を渡る。すぐに左に下っていく道があるが、これが目指す林道だ。 ![]() 林道名は鷲走岳林道。ここから沢沿いに山間部へと分け入り、鷲走ヶ岳(1,097m)のすぐ西を かすめ、大山林道へと合流する林道。鷲走ヶ岳は「わっそうがたけ」と読むらしいが、「わそうが たけ」と発音する人もいるらしくて、どっちが正しいのかはっきりしない。 途中かなり荒れているという情報もあるのでやや緊張感を覚えるが、とにかく走行開始であ る。まずは国道から舗装路の下り坂を降りていく。すぐに幅広のダートが現れるが、くぼみがあ ちこちにできていて走りにくい。 ![]() 手取湖はずれの入江部分に沿って進むと、やがて橋で沢を渡る。ここで道が二手に分かれ るが、本線は右折。いよいよここから沢沿いの登りが始まるようだ。 ![]() と、突然ワイヤーのゲート。特に通行止めの掲示などは見あたらないのだが、がっちりワイヤ ーロープで閉鎖されては入れるはずもない。なんということか。暫し呆然とたたずんだが、ここ は撤収の選択以外に方法がなさそうで、残念ながら諦める。 ![]() 予定では鷲走岳林道を通り、終点で接続する大山林道へと走り繋ぐ予定であった。ここで撤 収も考えたのだが、高騰したガソリンを使いながらはるばるここまで来たのだから、無駄足で 終えるわけにはいかない。大山林道単独の走行に切り替えて、もう一度アタックすることに決 める。 国道と県道でぐるりと回り道して、この一帯の北側のアクセスポイントへと到着。県道44号沿 いにある大山林道入口だ。金沢市街方向から大日川ダムを目指して進むと、左側に水力発電 所が建っているのがいい目印になる。 ![]() A型バリケードと鉄パイプで組み立てられた簡易ゲートはあるのだが、端に寄せられて車が 通れるようになっていた。これはどうやら通行してよいと言うことか。 狭い峡谷の中を、これまた狭い道で進んでいく。対向車が来たらすれ違いは無理で、誰とも 出くわさないことを祈りつつ走る。 ![]() 少し進むと左に林道分岐。標識を見てみたらさっき足止めを食らった鷲走岳林道とわかった が、なぜかこちらは閉鎖されていない。おそらく鷲走ヶ岳登山者が登山口まで入れるように解 放されているのではないかと思う。もし今回こちら側入口から走行していたら、出口まで行って ワイヤー閉鎖に途方に暮れたはず。手取湖側の閉鎖を先に確認しておいてよかった。 ![]() 鷲走岳林道を無視してさらに大山林道を進んでいくと、だんだん視界が開けてきた。峡谷か ら這い上がって高い位置まで登ってきたのだろう。空には真っ青な夏空が広がり、やっと夏山 らしい眺めになってきた。いやー、こののんびりした大自然の雰囲気こそ、この時期ならではの 山の風景である。何ともいい気分だ。 ![]() でも、のどかな快走路を楽しめたのはほんのわずか。通行量が皆無に近い大山林道は、い よいよ本性を現す。草はボーボーに生い茂り、そのくせ道幅は狭く路肩が目視で確認できな い。もし踏み外したら垂直に近い崖を転がり落ちて谷底へ転落、昇天間違いなしだ。ところどこ ろ落石も転がる道を、とにかく事故を起こさないように慎重に進んでいく。 ![]() 必死に進んでいったのだが、起点から9キロ弱進んだところで崖崩れ発生箇所。バイクなら かろうじて通れそうな感じもするが、車ではどんなに腕がよかろうと絶対に無理である。何とも 無念…。この道では当分撤去されないだろうから、しばらく通行不能状態が続きそうだ。 ![]() 先へ進めない以上、引き返すほかない。今走ってきた道を再び戻り、撤収開始だ。目の前に はさっき難儀して走ってきた渓谷が一望できるが、道の険しさと反対に何とも穏やかな眺めに 見える。 途中、バイク数台とすれ違った。崖崩れのことを教えてあげようかと思ったが、勢いよく走り 去っていったし、第一余計なお世話だろうとやめておく。土砂崩れが起きていたって、どうせ自 分の目で見て確認しないと納得しないのは、彼らも同じだろうから。 ![]() ![]() 参考としてご覧下さい。 せっかく石川くんだりまで来たのに、結局2本の林道共に空振り。まあ大自然の中の道だか らこういうアクシデントも付き物なのだと、自分を納得させて去ることにした。
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